心を癒す作品とは
同一視すると癒しになる
心を癒す映画とは、自分と同一視できる作品のことだと心理学者植木理恵先生が語っています。
同一視とは、他者の特徴や属性、あるいは規範を自分と同一視し、それらを自己の一部として取り入れるプロセスを指します。
この概念は発達心理学や社会心理学で特に重要です。同一視は、個人が自分のアイデンティティを形成する際に親や他の影響力のある人々を模倣することによって発達します。
子どもが親や手本となる人物の振る舞い、信念、感情をまねることで、それらを自分自身のものとしていきます。
映画を通して同一視することで、登場人物の経験や感情が自分のものとして感じられ、映画に引き込まれていくのです。映画の物語が荒唐無稽でも、同一視の要素があれば感情移入が起きやすくなります。
同一視しやすいジャンルとは
同一視しやすいジャンルとして、アメリカ・ワシントン大学の研究では主に3つの分類があります。
ヒューマンドラマ
例: 「プラダを着た悪魔」「幸せのちから」「リトル・ミス・サンシャイン」
ラブコメディ
例: 「男はつらいよ」「ロマンティックじゃない?」「魔法にかけられて」
ヒーローもの
例: 「スパイダーマン」「ロッキー」
これらの作品では、登場人物を追うことで、自分がその状況にいるかのように感じ、日常の雑事を忘れて心がリフレッシュされることができます。現実のストレスに対処するだけでなく、心を癒すために空想の世界に没頭できる時間を作ることも重要です。
涙を流すとリラックス効果に
映画を見て没頭し、涙を流すことでリラックス効果が得られます。映画を集中して見ながら涙を流すことで、メンタルの悪い部分が外に排出されスッキリするのです。
そのため、心を癒す映画を見る際は、思いっきり没頭できるように環境を作り、一人で見ることが効果的といえるでしょう。
誰かと一緒に映画を見に行くのは楽しいことですが、同一視できそうな作品に出合えたら、一人で見ることをおすすめします。
あえてそのような時間を作ることで、メンタルヘルスにも効果的です。
ストレスでイライラするときや悩みがあるときは映画の力を借りて見るといいでしょう。
涙を流すことで得られる効果は以下のようなものがあります。
ストレス解消と感情の調整
涙は感情をリリースする一つの方法です。感動的な瞬間や悲しい出来事に直面したとき、涙を流すことでストレスホルモンのレベルが下がり、感情が和らぐことがあります。これによって心のバランスが保たれ、気持ちが落ち着くことが期待されます。
エンドルフィンの放出
涙を流すことは、エンドルフィンと呼ばれる幸福感をもたらすホルモンの放出を促進することがあります。これによって心地よい気分が生まれ、ストレスの軽減やリラックスが期待できます。